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【映画】世界よ、これが綾野剛だ【ヤクザと家族 TheFamily】

公開延期になった作品が増える中でも映画は公開されるわけで
ポツポツと見たいものがあるので見に行こうとする反面その1本のために外出するのも面倒。

とか言ってたら見たい映画が2本まとまって公開されたので映画の日を使ってまとめて見てきました。
今回はその1本目です。

ヤクザと家族

1.メリハリのある3部構成

映画のポスターにもある通り、今作は綾野剛演じるケンボー(山本賢治)の人生を
1999年、2005年、2019年3つの時代で描く構成です。

そのため物語の進行もすごくわかりやすいですし、内容もわかりやすい。

99年、まだチンピラだったケンボーがひょんなことから藤崎組の頭の命を救い、親子の坂付きを交わすまでのパート。
2005年、地位を与えられて順風満帆な一方。とある女性と出会い人生が変わっていくパート。
2019年、とある事件で務所入りしていたケンボーが出所し目の当たりにした14年間の間に変わり果てた家族の姿を描くパート。

各パート見どころがあるのはもちろん、若かりし頃の姿では派手に。
地位を手に入れるとわがままになり、歳をとると丸くなるケンボーが見てて全く飽きない。

というよりそれ演じてる綾野剛さんの演技力が本当にすごいです。

任侠映画といえば怖い顔した大人が怒鳴り散らかしたり銃ぶっ放したり
見応えがある反面、耐性がある人とない人がざっくり分かれる印象ですが
今作は任侠映画としてのコメディ感と邦画特有の哀愁漂う様子がちょうど半分半分ぐらいで
任侠映画初心者の自分としてもすごく見やすい作品でした。


2.視覚的にもわかりやすい変化

映画のPVを見てると特に印象的なのはバイクに乗ったケンボーが金髪に全身白い服装で駆け抜けるシーンです。
ちなみに中盤になると夜のシーンが多く、終盤は全体的に白いフィルターがかかったような印象を受けます。

これ色んな人が触れているのですが、ケンボーの社会的な色を表しているという声が多数。
言われてみれば確かに、序盤はまだ引き返せた頃。中盤はもう引き返せない黒に染まった頃。終盤は既に地位も家族も失って年老いた白でも黒でもない姿。と言った感じにケンボーの今の状況が視覚的にすごくわかりやすいという特徴があります。

やっぱちゃんと分析的に見てる人はすごいなぁ。

3.もはや綾野剛を活かす為の作品

この映画一番の名シーンは?と聞かれると自分はチェシスシーンとか
中盤打ちっぱなしにいる藤沢の頭とケンボーを見て何かを思う若頭のシーンとか上げたいところですが、中盤に訪れるケンボーの転機。他の組の奇襲から舘ひろしを守った後に、バイクの跡を追おうとして足を引きずるも当然追いつけず車に戻るために振り返るとそこには・・・という一連な流れが1カットで描かれるこのシーン。

見応えもさることながらこの1シーンでケンボーの人生が大きく揺らぐシーンで表情も動きも全てが綾野剛という役者の虜になるには十分すぎる魅力を秘めています。正直これを見るために劇場に行けるぐらい見入ります。

ネタバレ注意 本当の家族を考えさせられる

結局家族ってなんなんだろう。って考えさせられました。

舘ひろしと綾野剛が二人でいる姿は親子の盃を交わした以上の微笑ましさはさることながら
他の組員達とのやりとりも家族そのもの。特に兄貴分の北村有起哉は兄弟としてのやりとりはそこまで多くないものの、交わす一言と一言が家族のためを思うやりとりだったり喧嘩だったり男兄弟のやりとりそのもの。

それでも出所したケンボーは務所に入る前に抱いた女を忘れられず、組を抜けて共に過ごすようになるもとある出来事で元ヤクザであることがSNSで知れるとケンボーどころか共に暮らしてた恋人と娘にも社会が牙を剥き、泣いて土下座されて二度と現れてくれるなとこあんがんされる。

一方組を抜けて家族を持っていた子分の細井(市原隼人)も組に入る前から慕っていたケンボーを跳ね除けて自分の家族を守ろうとするも、ヤクザであることが知れると家族は夜逃げ。

自分のために居場所を作り続けてくれた社会から黒いものとされる家族。
社会が黒いというと途端に切り捨てるなりたかった家族。

結局ケンボーや細井を白黒ではなく今の人としての姿を見てくれた人が家族であり
悪いのはそれを振り切ったケンボーでも細井でも無く、元ヤクザという肩書きだけでを切り捨てようとした社会。

うまく伝えようとすると変な感じになりますがそんな作品でした。

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