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【映画】3人のロッキーの意地と逆転の殴り合い①【Under Dog(アンダードッグ)前後編】

昨年、ほとんど映画をみれなかったことと思うと
今年既に5本映画を見てるのは過去に類を見ないハイペースです。

今年見た映画の感想はできる限り文字に起こしていきたいところですがまだ1本しか文字にできてない始末。
急ぐとクオリティが落ちるし急がないと興奮が褪せていくし配分が難しいところ。

そんな今回は当初全く見る予定のなかったUnderDog(アンダードッグ)の紹介です。
週に何回かFilmarksの近日公開リストを確認してるのにCMも映画サイトの広告にも表示されて無くて
たまたま通りかかった街の映画館にポスターが掲示されてて、且つメンズデーじゃなければ多分最後まで見なかったという運命の一作です。

作品紹介

「百円の恋」の武正晴監督が、森山未來、北村匠海、勝地涼をキャストに迎えたボクシング映画の前編。プロボクサーの末永晃はかつて掴みかけたチャンピオンの夢を諦めきれず、現在も“咬ませ犬”としてリングに上がり、ボクシングにしがみつく日々を送っていた。一方、児童養護施設出身で秘密の過去を持つ大村龍太は、ボクシングの才能を認められ将来を期待されている。大物俳優の2世タレントで芸人としても鳴かず飛ばずの宮木瞬は、テレビ番組の企画でボクシングの試合に挑むことに。それぞれの生き様を抱える3人の男たちは、人生の再起をかけて拳を交えるが……。「百円の恋」の足立紳が原作・脚本を担当。3人の男たちを中心に描いた「劇場版」は前後編の2部構成で同日公開。また、3人と彼らを取り巻く人々の群像劇として全8話のシリーズで描く「配信版」もABEMAプレミアムで配信される。(映画.comより引用)

前編 現状にしがみつく男と変わろうとする漢の戦い

かつて日本チャンプの座を掴みかけるも夢に敗れ、失墜したプロボクサー末永晃(すえながあきら)。
施設上りでプロボクサーを目指す若年のボクサー、大村龍太(おおむらりゅうた)。
番組企画でプロボクサーになった売れないお笑い二世タレント宮木瞬(みやぎしゅん)。

そんな3人の主人公がどん底から生まれ変わろうとする模様が、前編では晃と瞬。
後編では晃と龍太の戦いが描かれます。

主人公、末永晃は日本チャンピオン目前にまで育ててもらったジムから引退を促されながら咬ませ犬としてかろうじて所属しボクシングとの関係を繋ぎ止めながら、デリヘルの運ちゃん(客の家まで女の子を運ぶ人)で生計を立て無職の父と二人で暮らす。

この男、後編の最後の試合の直前まで本当に情けないだけの男で、ボクシングにしがみつくあまり妻と子供と別居。たまに会いにきてくれる息子の応援の前にも口籠もり、挙句客の元に届けたデリヘルが仕事をする家の庭に侵入して自慰に耽る日々。作中でたびたび現れる日本チャンピオンの座を賭けた戦いのシーン以外はボクサーであることを疑いたくなる絵に描いたような失墜ぶりを後編の後半まで引きずります。

一方、二世タレントの瞬は前編の途中まで番組の企画でプロボクサーの資格を取り、テレビ映りのために芸人としてリングの上でも笑いを取ろうと必死にボケる。いわゆるプロの世界を面白く調理しようとする不快なだけのタレントとして描かれるのですが、大物俳優を父に持つために生活には困らないどころかタワーマンションに部屋を借り友人らしき人物(関係は最後まで明かされない)に自室でパーティをさせてるぐらいの成金ぶり。

しかし瞬はいいように使われる日々に嫌気がさしている一方で番組の企画で始めたボクシングに本気で打ち込む姿勢を見せはじめ、パーティ会場になった家から飛び出すとそのまま走り込みに出て行ったり、前編のクライマックスでもあるエキシビジョンマッチに向けて本気でトレーニングに明け暮れる姿は完全に主人公。

それを掻き立てたのはロバート山本演じる、瞬のセコンドー(試合中に介錯する人)になる男。元日本チャンピオンとのエキシビジョンマッチに向けて本気で勝とうとする瞬にスパーリングを申し込み『お前に勝てるはずがない』と言い放つも次第に練習に付き添うようになり瞬が本気で勝とうとする姿を支え続けた男。

瞬の周りにいたのは番組としての面白さしか考えていない取り巻きだったのに次第に自分が本当にありたいと思った姿を応援してくれる人たちに囲まれる。

迎えたエキシビジョンマッチ。
その試合で瞬が完全に主人公になるぐらい、ロッキーを彷彿とさせる名試合で前編が終了。

この映画のレビューには前編がクライマックスなんて書き方をする人もいますが、実際前編がクライマックスといっても過言ではないぐらいの盛り上がりです。

一方完全に失墜した晃は、周りから愕然とされる中唯一ボクシングにしがみつく姿を讃えてくれた日本タイトル決勝でで対戦相手だった海藤からも『二度とボクシングするな』と吐き捨てられる。

幼少期からボクシングの世界チャンピオンの夢を応援してくれた父親からも『もうボクシングはいいだろ』と慰められる。

失墜に失墜を重ねた晃、そしてもう一人の主人公龍太がリングに上がる描写で前編が終了。

ここでガッカリせずに見てほしい後編

後編の感想は次回の記事に書くとして、次回の記事を書き終わるまでに前編だけみて晃にガッカリした人、何ヶ月か後に出てるレンタルでとりあえず前編借りてみた人へ。

こんなに情けない主人公のまま前編を終えて後編を見る気になれましたか?
自分は多分なりません。

それでも前編後編を一挙上映でいやでもまとめて見ることができたおかげでこのアンダードッグという作品を前後編合わせてアンダードッグ。晃の物語と言えたと思います。

晃の情けなさが後編の途中まで描かれるからこそ最後の試合が普通の再起主人公映画よりも輝いて見えたんだと思います。そう思うと前編で主人公が沈みきって終わったのも前編後編同時公開なのも、2時間映画2本立てで完結という実験的な公開形式ですよね。

自分が見た時は1作1100円のメンズデーだったのでまとめてて見よう思う気になれましたが
これ通常の1800円だったらスルーしてた、もしくは前編だけ買って後編見なかったかもしれません。

公開規模も狭いのでもしかするとこのままあまり知られずに終わるかもしれませんが、できればもう少し広めの公開範囲で2本まとめて3000円ぐらいの価格で見ることができればもっといろんな人に知ってもらえるのになぁと思いました。

というわけで後編のレビューに続きます。


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